オルソケラトロジーとは

特殊な高酸素浸透性のハードコンタクトレンズを寝る前に着用することにより、寝ている間に角膜の形状を変形させて近視と乱視を矯正する視力回復方法です。
朝起きた時にレンズを外すと、角膜の形状が矯正され、日中は裸眼で過ごすことができます。着用を中止すれば、元の状態に戻りますので、安全性に優れた治療方法といえます。また子供から大人までと幅広い年齢層の方が治療を受けることができます。
子様のレンズの脱着に関しましてはご家族のご協力をお願いしております。

オルソケラトロジーのメリット

  • コンタクト、眼鏡のわずらわしさからの解放
  • 裸眼で安全にスポーツを楽しむことができる
  • レーシックなどの外科的手術を行わず視力回復ができる
  • 近視進行の抑制効果がある
  • 取り扱いが簡単

オルソケラトロジーのデメリット

  • 一度視力が回復しても、寝る時に装用しないと元の視力に戻る
  • 通常のコンタクトレンズのようにケアが必要
  • 視力が回復、安定するまでに数日かかる場合がある
  • 夜間はハロー・グレアー(光が周りに散って見える現象)が気になる場合がある
  • 矯正は一過性であるため維持するためには治療を続けることが必要

ブレスオーコレクトの矯正メカニズム

  • レンズ装着前:
    通常は光が角膜と水晶体の屈折力により、網膜上で焦点を結びますが、近視の状態である場合、網膜より手前で焦点を結ぶために像がぼやけて見えます。
  • レンズ装着中:
    「ブレスオーコレクト」を就寝時に装用することにより、特殊な内面カーブが角膜前面の形状を変化させ、 扁平化することにより焦点が網膜上で結ばれ、像がはっきり見えます。
  • レンズ脱着後:
    「ブレスオーコレクト」によって扁平化された角膜前面は、レンズをはずしても一定時間形状が維持されるため、日中は裸眼視力が改善されます。

日本人の角膜形状に合わせて開発されたデザイン

「ブレスオーコレクト」は、日本人に多い角膜中心部に突出の少ないフラットな球形角膜にも安全に処方するため、リバースカーブの長さとカーブをコントロールし、サジタルデプスを浅く設計しています。

これにより角膜への吸着を防ぎ、レンズの動きによって涙液の交換が良好におこなえるようデザインされています。

また、「ブレスオーコレクト」のリバースカーブはレンズ中央部のベースカーブが角膜上皮の厚さの範囲内で角膜形状の変化をおこなえるようにも設計されています。

オルソケラトロジー治療をお考えの方へ

オルソケラトロジー治療を受けるかどうかはあくまでも任意です。いったん治療を受けることへ同意され、コンタクトレンズを注文してからの撤回(中止)については、いかなる理由であっても費用をお返しすることは出来ませんので、予めご了承ください。

治療中に眼球の状態によっては、医師の診断によりコンタクトレンズの装用を中止し、点眼等の薬剤投与が必要な場合があります。オルソケラトロジー治療が原因であるものは自費で、そうでないものは保険での診療費が別途必要になります。

治療の流れ

ハードコンタクトレンズ使用の方は2間、ソフトコンタクトレンズ使用の方は1週間、レンズを外していただき、適応検査をします。パンフレットを持ち帰り、検討して頂きます。
フィッティングチェックをし、当院のレンズを貸出いたしますので、自宅でお試ししていただきます。

  • メーカー推奨外のレンズの場合は、レンズの貸出ができませんので、お試しいただくことができず、メーカー発注となります。推奨外レンズは通常のレンズに比べ、視力が出にくかったり、不安定になることがございます。
  • レンズが決定するまでは翌週、その後は2~3週間後に来院していただきます。
    お試し後、継続希望であれば、レンズ購入となります。
    レンズ購入後は3ヶ月おきの定期検査になります。
  • 貸出したレンズの破損、紛失をされた場合はご返金できませんので、丁寧にお使いください。その後継続をご希望であれば、レンズをメーカーに発注させて頂きます。
  • メーカー推奨外レンズが必要な場合は、当院のレンズの貸出ができません。
    そのためお試し頂くことができずに(試したあとはキャンセルできません)、レンズ購入となります。
  • 治療開始後は、定期的に診察に来ていただきます。
    下記の様に診察代がかかります。
    毎回診察代:5,500円(税込)
    ※1週後、1・3・6・9・12か月後
    ※翌年以降3か月ごと

治療の流れ

以下の流れで治療を行います。安全性の確認のため、医師による確実な経過観察が必須とされています、健康保険対象外、全額自己負担となります。治療を止められた場合は、レンズを返却して頂きます。

初回検査
  • 眼科検査とともに、オルソケラトロジー治療が適応可能かを判断する検査を行います。 (検査料 5,500円(税込)
    ※コンタクトレンズを装用されている方はご相談ください。
トライアル装用

1週間装用体験することができます。

  • 装用開始翌日に定期検査を行いますのでご来院ください。
  • 預かり金(片)33,000円(税込)(両)66,000(税込)、装用体験費用5,500円(税込)をお支払いいただきます。
    ※装用体験費用にはケア用品としてオフテクス クリアデュー オーツーセプト(ヨウ素配合酵素洗浄保存剤) 、バイオクレン ミクロン(こすり洗い用高分子ポリマー洗浄剤)が含まれております。
  • トライアル期間後、治療に入りましたら初年度治療費から預かり金分を充当させていただきます。
  • 治療を行わない場合には、レンズと引きかえに預かり金を返金いたします。
  • レンズ紛失・破損・変形がある場合は、1枚につき33,000円(税込)をお支払いいただきます。
  • レンズを1ヶ月ご返却頂けない場合は、預り金をレンズ代金に充当します。
本治療
  • トライアルレンズを返却いただき、新しいレンズをお渡しします。
  • 治療を開始する場合は必ず同意書にサインしていただく必要があります。
    (未成年者の場合は保護者の同意が必要です。)
定期検診

レンズ装用は継続する必要があります。
また、経過観察のため、以下の定期検査をお願いいたします。
初年度:開始日、翌日、1週間、2週間、1ヶ月、3、6、9、12ヶ月
2年目以降:3、6、9、12ヶ月

※上記の定期検査は、気になる症状などがなくても受診が必要です。 眼の状態により定期検査以外にもご来院が必要になることがございます。

ケア用品

使い捨てワンデイであれば、洗浄も消毒もタンパク除去も不要になります。しかし、使い捨てワンデイのオルソケラトロジーレンズは、ありません。従って、洗浄も消毒もタンパク除去も必須になります。
加えて、オルソケラトロジーガイドライン(第2版)では、角膜感染症対策として、界面活性剤によるこすり洗いとポピドンヨード剤による消毒が推奨されています。
「レンズは界面活性剤によるこすり洗いに加え,ヨードアレルギーに注意したうえでポピドンヨード剤による消毒を推奨する」
当院では、界面活性剤によるこすり洗いとして、
バイオクレンミクロン(こすり洗い用高分子ポリマー洗浄剤)
ポピドンヨード剤として、オフテクスクリアデュー オーツーセプト(ヨウ素配合酵素洗浄保存剤)をご用意しています。cleadew O2セプト 使用方法(動画)(音楽が流れます、ご注意ください。) 

オルソケラトロジー治療の費用

当院で使用するオルソケラトロジー用レンズは、厚生労働省に認可されております。
したがって、患者様の眼に挿入することは国で認められています。
しかし、健康保険では取り扱いがされておりませんので、このレンズを使用しての治療に関しては、自費での請求となります。保険対象外、全額自己負担となります。

当院での治療にかかる費用は下記の表をご覧ください。

コンタクトレンズ初回治療費
両眼 総額:176,000円(税込)
(内訳:1週間のテスト装用治療に必要となる預り金 66,000円 +
継続される場合は初回治療費から預り金を差し引いた残額 110,000円
コンタクトレンズ初回治療費
片眼 総額: 88,000円(税込)
(内訳:1週間のテスト装用治療に必要となる預り金 33,000円 +
継続される場合は初回治療費から預り金を差し引いた残額 55,000円
初回診療時の検査料
5,500円(税込)
※検査後、治療適応可能であればトライアル装用体験をおすすめしております。
(1週間延長するときもあります)
トライアルのみの場合(1週間)
装用体験費用 5,500円(税込)
両眼預り金: 66,000円 片眼預り金 :33,000円

※治療費には、処方料・レンズ代金・・初回目薬1本及び、治療開始より6カ月間のオルソケラトロジ-に関わる検査及び診察費用が含まれます。
※継続されない場合、コンタクトレンズを返却していただきます。
預り金残額66,000円(税込)、片眼33,000円(税込)はご返金いたします。
※テスト装用治療のコンタクトレンズはクリニックの所有物であるため、それを貸出しての治療となります。従って、破損や傷、紛失の場合は1枚33,000円(税込)を預かり金より引かせて頂きます。
※ケア用品を別途ご購入いただく必要があります。
※治療開始後、定期的に診察に来ていただきます。6ヶ月までの定期検査代は原則無料になります。ただし、途中で合併症が生じた場合、別途治療費が必要となることがあります。
※10万円を超えた費用は医療費控除の対象です。

詳しくはこちらの国税庁による回答ページをご覧下さい。
オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除